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2017年5月29日 (月)

インド・ネパール茶畑視察の旅⑨

インド・ネパール茶畑視察の旅①

インド・ネパール茶畑視察の旅②

インド・ネパール茶畑視察の旅③

インド・ネパール茶畑視察の旅④

インド・ネパール茶畑視察の旅⑤

インド・ネパール茶畑視察の旅⑥

インド・ネパール茶畑視察の旅⑦

インド・ネパール茶畑視察の旅⑧

の続きです。

夜遅くに到着したのに、ホテルの好意に甘えて夕食を作ってもらって、ようやく就寝したと思ったら、翌朝も早い時間から茶園に向かうという、ネパール・イラムの茶畑視察の1日が始まりました。

この日も、茶園に到着する前に、ホテルが持たせてくれたお弁当を車中でいただくことに。

もちろん、期待はしておりませんが・・・・。

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↑どこんちも、お弁当は、こんな感じ(笑)

トーストしたパンが焦げてる!!

今日は卵1個。

ウェットティッシュで林檎を拭いてから食べるのも、もう慣れっ子。



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さて、ネパールの茶産業について。

インドが紅茶の生産国であることは、一般的に知られていますね。

(ちなみに紅茶の生産量・国内消費量は世界第1位です)

それに比べて、ネパールの紅茶は私たち日本人にはあまり馴染みが無くて、茶産地だということも知られてないかもしれません。

この日に私が訪れたイラムという茶産地は、ネパールの東部山岳地帯で、ダージリンと同じヒマラヤ山脈の麓にありまして、標高も気候も栽培品種もダージリンと同じです。

ネパールのお茶の起源については諸説ある中で、私がイメージできるのは、19世紀半ばに当時の首相の子息がダージリンを旅して、茶畑の美しさ、ダージリン紅茶の美味しさに感銘を受けたのをきっかけに、ネパール東部の山岳地帯イラムに茶園を開いたのが始まり、と言われている説です。

その一方で、ダージリンのお茶の起源は・・・。インドのアッサムに自生しているお茶が発見されてから、アッサムの品種をダージリンに植えてもなかなか根付かなかったのに、中国から持ち込まれた品種はうまく根付いて、それが今日のダージリンティーの礎となりましたね。その中国から持ち込まれたのも19世紀半ば。そうすると、ダージリンとほぼ同時期にネパールにも茶産業が始まった、ということになります。

しかし、ほぼ同時期?というのが、疑問なのです。ネパールの首相子息がダージリンで感動するほどの茶産業になってなたのか、という疑問です。だから諸説あると言われるのかな、と思います。

そうすると、8世紀にさかのぼり、チベットの王様がネパールから花嫁を迎えた御礼にお茶の木を贈って、それを植えたのが最初という説なのかな??

(疑問のまま)(誰か教えて~~)

ネパールの茶産業は政府の支配下にありましたが、1985年に政府はジャパ・イラム・テラサム・ダンクタの東部地域を紅茶ゾーンとし、それ以来、民間企業も茶園や工場の投資を始めました。1997年にはネパール政府部門にあった茶園と工場の民営化を決定しました。

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さて、旅行記に戻ります。

イラムの『シャングリラ茶園』に向かいます。

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↑茶園に向かう道中の景色です

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↑このようにミルクを運んでいました↓

 原始的な運び方
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道路は舗装されていません。

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民家がありました。薪が積んでありました。原始的な生活。





『シャングリラ茶園』に到着しました
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工場の壁面では、欧米各国のオーガニック認証を誇っておりました。

日本の有機JASは未だありませんでしたが、

シャングリラ茶園、これから、来ますよ!日本に!

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茶園に入ると、すぐ、神様がいらっしゃいました。

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社長さんと奥様

やはり、こちらでも「なむ~~」の挨拶で、首にストールをかけて迎えてくださいました。 

すると、まもなく、現地ガイドさんと社長さんが、絶叫のような挨拶をして盛り上がってらっしゃいました。なんやら、お二人は高校の同級生だそうで、久しぶりの再会に、ハグハグハグ。笑いが止まらない感じでした。そのような偶然もあり、社長さんからは、ほんとに良くしていただいて、工場長からの丁寧&親切な説明付で製茶の全行程を見せていただくことができました。

現地ガイドさんは、日本に住んでらっしゃったことがあって、日本語が話せます。なんでも最後に「ございます」を付けるところが面白かったですが、丁寧な言葉はいいことです。普段はネパールの総合的な観光ガイドとして日本人を受け入れてらっしゃるそうですが、今回のように茶畑や工場に特化した日本人は初めてだったそうで(インドならまだしも、ネパールでは稀だそうです)、こんなにお茶お茶お茶と萌えてる日本人をどう案内していいのか、正直、戸惑われていたと思います。でも、茶園の社長さんと同級生として再会をしたのを機に、これからはお茶について深めていきたい、とおしゃってました。ネパールと日本をお茶でつなぐ役目を担っていただきたいです。

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イケメン工場長(超やさしかった)

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萎凋槽

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揉捻機はダージリンで訪れた2茶園と同じメーカーです。

萎凋→揉捻→玉解き→発酵(1stはしない場合もあり)→乾燥

という各工程を茶葉の特性に合わせて、かける時間、かける圧力などの微調整を行います。その微調整の様子を表にして管理しているのを見せていただきました。

(こりゃ~たいへんだ~)

ただ作業工程を進めていくだけでも、お茶はできますが、より美味しく、よりキレイに、より高値に作るには、経験と勘に頼る技術的な面と、真面目に情熱をかけて仕事に取り組む姿勢が大切であると学ばせていただきました。

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ティスティングルームにて。

みんなの協議の結果、連れて帰る子が決まりました。

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イラムティーの1stフラッシュ

『シャングリラ茶園』

只今ティールームで1ポット600円で提供しております。

イラムの大地の恵みをぎゅ~と吸い上げた、甘味のある香りが特徴です。

シャングリラ茶園のは、たくさん連れて帰ってきましたので、まだ在庫は充分にあります。

茶葉は10g(少量パック)250円で販売しております。



社長さんのお家にお邪魔しました。

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ご家族と

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↑私の首にかけているのは、茶園の歓迎のレイ

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社長さんと

社長さんはカトマンズでお茶屋さんを開いて35年目だそうです。

シャングリラ茶園は1999年に現地の人の土地を借りて工場を創業。

茶畑に就労する人々を直接雇用しているのではなく、摘採茶葉(生葉)を買い取って製茶しています。イラムの地で生活している900家族を束ねていて、茶樹の生育に関する技術指導はもちろん、子供たちには本や文房具などの学習必需品の支給、出産や育児にかかる子ども手当等を支給する制度を設けているそうです。






☆彡☆彡☆彡☆彡

 シャングリラ茶園

工場の標高 1800m

畑の標高 2100m

畑の面積 300ha

1999年創業

年間125トン生産

栽培品種 100%チャイナクローナル

欧米各国のオーガニック認証あり

☆彡☆彡☆彡☆彡


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