インド・ネパール茶畑視察の旅④
の続きです。
さて、いったん旅行記から脱線して、『ダージリン』について、説明したいと思います。
そもそも、『ダージリン』って?
私の認識では、ダージリンが示すものは3つあると思っています。
1)地域名としてのダージリン
インド・西ベンガル州の北部にダージリン(Darjeeling discrict)という地域があります。
2)町の名前としてのダージリン
その地域の標高2000mを超えたところにダージリンという町があります。
3)紅茶の産地の名前としてのダージリン
Darjeeling discrict の中には、2つの産地があります。山岳部の産地を『ダージリン』、平地にある産地を『テライ』と呼んでいます。
前出(インドネパール茶畑視察の旅③)の、テライの茶畑での茶摘みの写真を紹介しました。
では、紅茶の種類としての『ダージリン』って?
ダージリンという品種があるわけでもなく、特定のブレンドがあるわけでもありません。
産地としてのダージリンで、認定された茶園で産する紅茶を『ダージリン紅茶』と呼んでいます。ダージリンには現在87の登録茶園があり、登録茶園以外はダージリン紅茶を名乗ったり、ダージリンのマークを付けることはできません。
ダージリン紅茶は昔ながらの’オーソドックス製法’で作られます。’セミオーソドックス製法’ や ’CTC製法’で作られたお茶はダージリン紅茶ではありません。
(製法の違いについての説明は、WEBや書籍などでご覧になれますので、ご興味のある方は調べてみてください。まやんちの紅茶教室『飲んで覚える紅茶入門』でも説明しております)
ダージリン紅茶といっても・・・・
ダージリンは同じ茶園でも標高の高いところと低いところで1000m位の差があるところもあります。標高の高いところと低いところとでは、栽培品種が違いますから、同じ茶園でも、当然、味や風味の異なる紅茶が作られることになります。
ダージリン紅茶と認定されていても、標高の低いところではテライの紅茶と同じ品種(アッサム種)で作っているのでテライと同じような紅茶になります。そんなわけで、ほとんど同じ紅茶でもダージリンを名乗れる紅茶と名乗れない紅茶とある、ということになります。
だから、ダージリン紅茶といっても、いろいろ。
標高や製法だけではなく、栽培方法や製茶方法、様々な条件が織りなして美味しい紅茶ができます。
それが、ダージリン紅茶の難しさでもありますが、知れば知るほど面白いと思うところでもあるのです。
私がダージリンダージリンダージリンと愛してやまないのは、
標高の高いところで、
情熱をかけて育まれ、
その特性を最大限に引き出す製茶が行われ、
その価値を伝えようと販売されている茶葉が
心を込めて淹れられ
それを飲んだときの高揚感。
それに魅かれるのだと思います。
今回は、そんなダージリンティーの畑と製茶工場を、実際に自分の目で見ることができる機会が到来しました。
ようやく本題に。
ダージリンで2泊したホテルは
標高2200mにあるウィンダミアホテル
かつて、お茶とインディゴの農園経営者の私邸だったそうです。英国統治時代の香りが漂う建物は、ゆったりとした広さがあり、庭もキレイに手入れがされており、敷地内には何棟もの宿泊棟、レストランやフロントなどの共用部分などが配置されています。周囲の雑多なめちゃくちゃな雰囲気とはまるで別世界。朝は小鳥のさえずりで目覚め、英国式のベッドティーも体験できました。
↑霧に包まれて幻想的
↑ここでアフタヌーンティーができる
↑イギリス菓子、好きなだけいただける
↑バー
↑英国製アンティークのピアノ 誰もいなかったから、勝手に拝借(ちゃんと音が出た)
↑ディナーのメニュー オサレ
↑モーニングノックで起こされ、ベッドティー
↓スッピン注意
ホテルの素敵な雰囲気に浸っている場合じゃない事件が!
シャワーのお湯の量に限りがるのです。
(ここでは、お湯は貴重品)
バスルームの天井に、お湯のタンクが設置されていて、どう工夫をしても、二人が十分に使える湯量はありません!ルームメイトと協議し、髪を洗うのを止めることに。
2泊とも洗髪断念。
つづく → ⑤
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